嫌われる勇気・幸せになる勇気(仕事編)

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この本は読んでいて、書かれていることを自分に照らし合わせることがとても多かったように思う。

 

仕事のことで自分に刺さった内容ごとに感じたことを羅列していきたい。

 

1.自分はこのままでいいのか

  • 過去の経験に今の自分の置かれている状況の原因を求めてしまい、過去の経験に基づいて自分が決断を下している。
  • 自分が変われないのは、自分が変わらないという判断をしているから。今不満があったとしても変わらない方が自分自身が楽である。それが自分の理想と現実を乖離させる大きな原因となっている。
  • 将来、自分が理想の方向に進むかどうかは、今の自分の判断が決めている。

 

本当にそうだなと感じた。

「このままでいいや」

誰でもよく思うことだと思うが、ここを律することができるかが肝となる。

本書にも書かれているが、「過去どうだった、だから未来もこうなんだろう」で判断するのではなく、「これからどうしたいか」という観点から判断していく必要がある。

過去は変えられないけど、未来は変えられることもある。

自分が今後どうなりたいか、今後どうしていきたいかを念頭に置いて、色々なことを決断していくことを再認識した。

 

2.劣等感・劣等コンプレックス

  • 劣等感は「客観的な事実」ではなく、「主観的な解釈」。
  • 人は普遍的に「優越性を追求」している。こうなりたいという理想を追求している。
  • しかし、この理想に到達できていない自分に対し、まるで劣っているかのような感覚を抱く。
  • 自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めたことを劣等コンプレックスという。本来は何の因果関係もないところに、あたかも重大な因果関係があるかのように自分を説明し、納得させてしまう。
  • 不幸であることによって「特別」であろうとし、不幸であるという一点において、人の上に立とうとする。自らの不幸を武器に相手を支配しようとする行為で、このような人は一生不幸を必要とする。

 

確かにその通りかもしれない。

自分はある程度名の知れた会社に勤めているが、周りは高学歴の人が多く、自分はそれほどのレベルの大学を出たわけではないので、劣等感を抱いていた。

「自分が会社の中でやりたい仕事ができないのは、自分の学歴が高くないためだ」と思っていたが、これは正に何の因果関係もない。

実際に会社では出身大学で何かを判断されることはほとんどない。これを自分で不幸の種に使うのは良くないことなんだと改めて感じた。

 

3.自分の課題・他者の課題

  • 他者の期待に生きるわけではなく、自分の人生を生きる必要がある。
  • 他者に期待に応えようとすることは、他者の人生を生きることになる。
  • 他者からの評価は、自分では変えることができない。誰の課題なのかをしっかりと分離し、自分でできることの範囲の中で自分が判断を下していく。

 

会社での出世欲はそれなりにあると自分では思っている。

だから周りの人からの評価は、今まで気にしながら社会人をやってきた。

他人の目や他人からどう思われるかを気にしているとやはり疲れるし、自分自身もつまらないと感じることが多い。

やはり、自分の人生を楽しむためには、他人からの評価を気にせず、自分がどう思うかという点を重視していく必要があるのかと思う。

しかし、サッと切り替えることはなかなか難しいのではないか?ゆっくりと自分なりの考え方を醸成していけば良いのかなと思った。

 

4.信用と信頼

  • 信用とは、担保を取って信じること。
  • 信頼とは、無条件に信じること。

 

これは分かりやすい表現だと思った。

自分は信用している人はいるが、信頼している人はどれくらいいるだろうか?

無条件に人を信じることは、「できるかできないか」なのではなく、「するかしないか」なのかもしれないが、なかなか「する」ことは難しいと感じている。

確かに自分が先に信頼すれば、他者も信頼してくれるのかもしれないが、自分もなかなかひねくれているので、難しいなと思った。

 

5.仕事の本質は他者貢献

  • 他者貢献とは「わたし」を捨てて誰かのために尽くすことではなく、「わたし」の価値を実感するためになされること。
  • 他者貢献は、目に見える貢献でなくて良い。「わたしは誰かの役に立っている」という貢献感を持てれば良い。

 

仕事で誰かの役に立っていると実感できることは非常に大切だと思う。

自分は営業職ではないが、自分の会社の製品、商品が世の中の役に立っている、誰かの役に立っているということが認識できないと家族にですら自分の仕事を誇りに持って説明することができない。

自分の仕事に誇りを持てることは、とても幸せなことだと思っている。

今の会社に再入社したいと思ったきっかけも自分の仕事が世の中に役に立つかという点を考えたことが一つである(当然、報酬等も重要な要素だったが…)。

この貢献感は、自分が追い込まれがちな時にはなかなか思い出すことができないけど、この感覚を持つことはとても大切だと思う。

 

6.特別な存在でありたい

  • 他者の注目を集め、「普通」の状態から脱し、「特別な存在」になりたい。これは、安直な「優越性の追求」。
  • 普通を拒絶するのは、普通を無能と同義と捉えている。普通と無能とは同義ではない。わざわざ自らの優越性を誇示する必要はない。

 

まさにこれ。

自分は今の会社の中で比較すると学歴も高くなく、普通の誰にでもできる仕事をしていると感じてきた。

そして、その普通を脱するために様々な資格取得の勉強にも励んだし、社会人大学院にも通った。その結果、自分を特別な存在へと持ち上げ、自分が会社の中でしたい仕事ができる部署に行きたいとずっと思っていた。

普通=無能と思ったことにも原因がある。最初に配属された部署が自分の希望するところではなく、周りの人を見ても自分が惹かれる人が少ないことに加え、行きたい部署の人は輝いて見えたからだ。

この本を読んで、今までの自分は、自分の地位を誇示したいだけの安直な考えだとも思った。ここのバランスを上手くとることは、結構難しいことなのかもしれない。

 

~まとめ~

アドラーの心理学は、なるほどと思うところもあったが、本当にそうなの?と思うところもあった。

このように自分なりの捉え方をしていくことが大切なのかもしれない。

個人を同一化、同一視することは不可能なことなので、この心理学の考え方を全面的に受け入れて実践するのではなく、必要なところだけ自分の中で消化していけば良いのかと思った。